2014年1月12日日曜日

接続要素を制する者はMEPを制す(1)

具体的につないで確認する

接続要素の振る舞いを知ることはMEPモデリングにとって大変重要です。今回は具体的にモデルを作成しながら、接続要素の重要性を確認します。
下の図のように、部屋と廊下をパスダクトでつなぐという、プリミティブなモデリングをしてみます。廊下側から部屋に空気が流れているとして、「機械テンプレート」に含まれている
  • M_吹出口
  • M_吸込口
を配置してみました。
吹出口と吸込口を配置

次にこの両者をダクトで接続します。いずれかを選択・右クリックし「ダクトを作成」を選択し、相手につなごうとするとエラーになります。
エラーが表示される

エラーメッセージは
  • 接続しようとしている要素には、異なるシステム分類があります。
です。どういう意味なのでしょう?

システムを組んでみる

次にシステムを組んでみます。廊下側の吸込口を選択し、[修正-エアターミナル]の[システムを作成]パネルの[ダクト]をクリックします。すると次のダイアログが現れます。

[システムエディタ内で開く]にチェックを入れてOKし、部屋にある制気口を選択し、システムに追加しようとすると・・・・
吹出口をシステムに追加することができない
 これまたエラーになります。

システム分類が異なると接続できない

これらのエラーの原因は残念ながらエラーメッセージを読んだだけでは何のことやらさっぱりわかりません。エラーメッセージには

  • システムのシステム タイプ(還気)と一致する利用可能な接続がありません。

となっていますが、この表現はあまり適切とは言えません。正しくは

  • システム分類「還気」と一致する利用可能な接続要素がありません。

です。前回の図を思い出してください。
システム分類が同じ接続要素しか仲間になれない
システムとは同じシステム分類に属する接続要素の集合です。ダクトのシステム分類は

  • 給気
  • 還気
  • 排気
  • 他の空気
  • 継手
  • グローバル
があり、今回のモデルでは部屋側の制気口が「給気」、廊下側の制気口が「還気」になっており、システム分類が一致しません。そのためシステムを組むことができないのです。冒頭のように手作業でダクトを接続したときのエラーメッセージは接続が論理的におかしいことを示していたのです。

システム分類の見分け方

接続要素のシステム分類を見分ける方法は簡単で、クリックしてみればすぐにわかります。
接続要素のシステム分類・接続ダクトサイズ・空気の流れがわかる
接続要素をもつ要素を選択すれば、接続要素ごとに

  • システム分類
  • ダクト接続部のサイズ
  • 空気の流れ

がわかるようになっています。(この3つの情報がわかることに着目しておいてください。モデリングを行う際、この3つの情報が実に有効なのです。)
システム分類は次のような絵で示されます。
クリックすればシステム分類がわかる
次回は制気口のファミリを修正し、接続要素についてもっと詳しく見てみましょう。


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