2013年10月26日土曜日

ダクトのモデリングに挑戦!

意外に簡単なMEPモデリング

設備モデリングは想像以上に簡単です。まずはダクトをモデリングしてその簡単さを体験してみましょう。前回同様、
C:\Program Files\Autodesk\Revit 2014\Samples\rme_advanced_sample_project.rvt
を開いてください。ビューを探しやすくするためにプロジェクトブラウザの設定を変更します。プロジェクトブラウザ先頭の[ビュー(Advanced)]を選択し、プロパティで[Simple]を選択します。
ブラウザのビュー設定を変更
そして[HVAC]-[平面図:Typical Room WSHP]を選択して開きます。WSHPはどうやらWater Source Heat Pumpの略で、水熱源ヒートポンプのことのようです。
[HVAC]->[平面図:Typical Room WSHP]を表示する
ダクトを削除し再度モデリングしてみましょう。フィルタを使ってダクトとダクト継手を選択し、削除します。
ダクトとダクト継手を選択し削除する
「制気口」(カテゴリ:エアターミナル)が残ります。(制気口とは空調用の吹出口・吸込口及び換気用の給気口・排気口等の総称です。もし、お手元に設備図面があれば「制気口リスト」という表が含まれているはずです。探してみてください。)
制気口が4つのこる

いよいよダクトモデリング

さあ、いよいよ初めてのダクティングに挑戦です。
上部の黄色い機械設備を選択してください。そうすると次の絵のようにいろんな情報が表示されます。
機械設備をクリックすると[接続要素]が表示される
これらの青い□に青い●のマークは「接続要素」と呼ばれるもので、このマークがあるところにダクトや配管を接続することができます。詳しい説明は後々行うとして、まずはダクトを作成してみましょう!
下側にある三つの接続要素のうちの真ん中のやや下にある☒をクリックします。
矢印のマークをクリック
すると、接続口からダクトが伸びてきます。

下の制気口のやや下側までもってきてクリックし、ESCをおしてダクト作成を終了します。(これを便宜上メインダクトと呼びことにします。)次に4つの制気口のどれかを選択するとやはり接続要素が表示されるので、☒をクリックしダクト作成を開始します。次にメインダクトの中心線をクリックし接続します。
ダクトの中心線をクリックして接続する
ダクト継手が自動的に発生し、ダクトが接続されます。これを繰り返してのこりの三つの制気口を最初に作成メインダクトに接続します。
ダクトを接続する

最後にメインダクトの終端にふたをします。メインダクトを選択し、[修正 | ダクト]タブの[編集]パネルの[開いた終端にキャップ]をクリックして、ふたをします。
開いた終端にキャップ
さあ、これでダクトのモデリングが終了しました。3Dで出来栄えを見てみましょう。プロジェクトブラウザで[HVAC]-[3Dビュー : Typical Room WSHP]を開いてください。
完成したダクト
いかがですか?ダクトのモデリングが案外と簡単であるということがわかっていただけたでしょうか。実はモデリングが簡単である理由はテンプレートやファミリにあるのですが、その話はもう少し先にしましょう。

2013年10月12日土曜日

MEPモデルを見てみよう!

サンプルモデルを開いてみよう

RevitにはサンプルのMEPモデルが付属しています。外国の設計なので日本のものとは仕様が何となく異なりますが、Revitモデルがどのようになっているのかを研究するには十分です。
一般的には以下のパスに保存されています。
C:\Program Files\Autodesk\Revit 2014\Samples

もしくは、WikiHelpで「サンプル」で検索するか、以下のURLにアクセスして、「rme_basic_sample_project.rvt」をダウンロードしてください。

http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/0005-dcheiaad5/0113-dcheegdg113/0114-dcheegee114


rme_basic_sample_project.rvt

専門分野に注意

[表示]タブ-[作成]パネル-[既定の3Dビュー]をクリックして、建物全体を見てみます。表示スタイルをシェーディングにするとさらに見やすいでしょう。
ここでは建築(意匠と構造)が半透明で表示され、設備機器が多数表示されています。なぜ、建築部分が半透明に表示されているのか?それはビューのプロパティ「専門分野」が「機械」に設定されているからです。
専門分野に注意

専門分野というビュープロパティはRevit Architectureを使っているときはそれほど意識しないで使っていたのですが、MEPを使うときにはとても重要になります。ためしに専門分野プロパティを「建築」にしてみてください。見慣れた表示になると思います。
専門分野「建築」
専門分野を「機械」にすると、建築要素はハーフトーンになり、機械関連の要素が前面に表示されます。これにより機械要素を選択しやすくなります。単に表示非表示を切り替えているだけではありません。
専門分野を「機械」にすると、機械要素が前景に描画される
同様に、「給排水衛生設備」を選択すると、一見何も変わらないように見えますが、給排水衛生設備要素、たとえば配管が優先的に選択されるようになります。

専門分野については以下のWikiHelpに記載されているので、一度ご覧ください。
http://wikihelp.autodesk.com/Revit/jpn/2014/Help/0001-dchedgcd1/1481-dchefhaj1481/1681-dchegeej1681/1781-dchegibe1781

配管は単線?

それでは、もう少し拡大して配管を詳しく見てみましょう。トイレのあたりを拡大すればわかりやすいのですが、配管が単線で描画されています。
配管が単線で表示されている
これは、ビューの詳細レベルが「標準」だからです。配管(パイプ)は詳細レベルが「詳細」で初めて実態が表示されます。
配管は「詳細」で実態が表示される
さらにビューモードを「簡略」にすると、ダクトと配管の両方が単線表示されるようになります。
簡略ではダクトと配管両方が単線表示になる
ビューの設定により、表示は様々に変化します。モデルを編集するにはまずターゲットとなる要素をいかに素早く選択するか、が大切です。表示をうまくコントロールして素早い選択につなげましょう。

ごあいさつ

Welcome to MEP World!

Revitが1BOXになり、Architecture、Structure、MEPが一体となりました。せっかく使えるようになったのだから、一度はMEPを使ってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
設備設計者でない方も、ぜひMEPを使いこなして、設備モデルを入力してみてください。いままでよくわからなかった設備のことが手に取るようにわかるようになります。ビルの内臓と血管がどのようにつながっているのか、MEPを使いこなせばビルディングが巨大な「マシン」に見えてきます。なぜ設備を機械・電気と呼ぶのかよく理解できるようになるでしょう。

一方で、MEPを使って見たいとは思っていても、「なんだか難しそう・・・」と、二の足を踏んでいる方もいらっしゃるでしょう。ところが、実際のところRevit MEPを使って設備モデルを入力することは「意外なほど」簡単です。ダクトやパイプのモデリングは一見難しそうに見えますが、それをモデリングする作業はRevitがいろいろと手伝ってくれるのです。

私は設備設計者ではありませんので、このブログは「設備図を読んでモデルにする」ことを目的とします。Revit MEPを使いこなすにはちょっとしたコツというか、「Revitの気持ち」を理解しなければなりません。ユーザーの皆さんとRevitMEPの橋渡しができるよう、つづっていきたいと思います。

Welcome to MEP World!